ピラミッドパズルpyramorphixの攻略法

キューブ王 海永

ピラミッドパズルpyramorphixとは左側のもの。ルービックキューブ風のパズルである。この攻略法を示す。

[観察]

正4面体に色が付いている。TBを右手と左手で持ち、Tを固定したままBを回転できる。TB180度回転すれば、形は同じままだが色が変わる。こういう操作は別の2箇所で可能。

パズルの目標は、正4面体の各面を同じ色にそろえるもの。

 正4面体()の、4隅の小4面体は物理的には無意味である。削除すれば正8面体()になる。しかし、パズル上は重要。実は、Tなどは180度回転の他に90度回転が可能である。この際、4隅の小4面体が別の場所に移動し、形状が崩れ、パズルを難しくするからである。2キューブよりも格段に面白い。3キューブよりも面白いと思う。

 パズルの本当の目標は、正4面体にし、さらに各面を同じ色にそろえることである。

 

[双対な正多面体]

2キューブ()の表面部分が粘土でできていたとする。8隅を押し込む。すると球形になる()。さらに押す、また最初の立方体の個別面の中心を尖らす。すると正8面体()になる。この変形操作で互いに移りあう正多面体を双対な正多面体と呼ぶ。

 今の変形操作、23キューブの内部(内部機構)には無関係である。従って、23キューブのパズルは、そのまま正8面体のパズルになりうるし、2キューブの解法は、そのまま正8面体パズルの解法になりうる。

 

[名称]

名称は、正8面体(or)を眺めたときのイメージで与える。まず、頂点()名。

 South,East,North,West,Top,Bottom   or  S,E N,W,T,B

半球は、S半球(南半球)W半球、E半球などと呼ぶ。赤道もある。

 

 個別の半球を90度右回転する操作を、半球の名前と同じ名前で呼ぶ。

     S,E,N,W,T,B

 SをしてEをすることをSEと書く。Sの逆(90度左回転)S^と書く。

 

[隣組]

 初期状態()から、Bを適用すればX型の形状になる()。それからEを適用すればかなり形状が崩れる()。ここまで形状が崩れると回復は難しくなるように思える。

 しかし、隣組という概念を導入すれば問題なく形状を回復できる。2つの小4面体が辺を接している場合、その1組の小4面体を隣組という。初期状態では隣組はない。X型では2組の隣組があり、両者は最大限遠くに配置されている。2組の隣組があれば、両者を最大限遠くに配置すればX型になる。それにB(orB^)を適用すれば、初期状態になる。隣組が1つしかない場合、小4面体が1つしかない半球を探し、それを回転すれば2組の隣組にできる。その後、X型にし、初期状態にすればいい。

 以上で、形状の崩れはたいした問題ではないことが納得できたであろう。

 

[解法]

 以下の手順に従う解法を示す。K(匿名希望)、高田氏の推奨解法。

(a) 正4面体にする。個別頂点を相応しい位置に持っていく。

(b) 頂点(小4面体)の色を揃える。

(c) 臍の色を揃える。

 

まず(a)。正4面体化は【隣組】で示した操作を適用すればいい。隣組の時の図を90度回転してあるのに注意。その後、180度回転だけで、個別小4面体を相応しい位置に持っていく。色もかなり揃う。説明略。

 

次に(b)。1つの頂点をスピンさせる操作を適用すればいい。

Y2でいい。3つの臍がスピンしているのだが、pyramorphixではそれに気付きにくい。

 

最後に(c)。まず、臍4つを巡回置換(奇置換です)する操作。高田の臍置換と呼ぶ。

 X型にした後でN2を適用しUFO型にする(視点を変えればUFOに見える)。そしてEで臍4つを巡回置換する。その後で元の形に戻したもの。臍4つの巡回置換だけが残っている。

Eでなく、E2を適用すれば、2つの互換となる。

 

以上の操作などを旨く適用すれば、後は臍3つの巡回置換を行えばいいことになる。

これには、23キューブの3頂点を巡回置換する操作をKを適用すればいい。

 

実は、高田の臍置換は強力である。長さ4の巡回臍置換は6種あるが、視点を変える(またはpyramorphix全体を回転する)ことで、全6種の巡回置換を全て実現できるからである。

左の状態であったとする。これ、高田の臍置換の逆で個別の面が1色に揃う状態である。しかし視点を変えれば順方向の高田の臍置換の適用ですむ。以下これを説明する。

1の臍に親指を当て、1の頂点を他方の指でつまんで回転する。右120度回転を1、左120度回転を1^と呼ぶ。この場合1^で緑面が相応しい位置にくる。次に2の臍に親指を当て、2の頂点をつまんで右に120度回転する。これで右端の図になる。これに高田の臍置換を適用すれば、個別の面が1色にそろうことになる。

 従って、長さ3の巡回置換のKは不要になる。Kを適用すべきとき、適当な臍置換で長さ4の巡回置換要の形にする。その後pyramorphixを上手に回転して、高田の臍置換を適用すればいい。

 

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